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PROJECT 02

mixpace

5G時代の
新技術に、挑め!

mixpace

3D見える化ソリューション。3Dデータを専用サイトにアップロードするだけで簡単にAR/MR用3Dデータに変換。株式会社ホロラボと共同開発。専用のHoloLensアプリ、iPadアプリを使って、3Dモデルデータと情報をAR/MR表示。実物大でのレビュー、遠隔ロケーションでの検証、デモが可能になる。

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MEMBER

MITSURU
MITSURU
ICT事業本部 企画
FUMIAKI
FUMIAKI
ICT事業本部 企画
SHO
SHO
ICT事業本部 企画
KANAKO
KANAKO
ICT事業本部 マーチャンダイザー
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CHAPTER 01

諦められるタイミングは、
いくらでもあった。

2019年2月25日、午前11時。にわか雨が上がり、晴れ間の見えだした東京 日比谷。東京ミッドタウン日比谷「BASE Q」で、あるサービスの発表会が行われていた。壇上にSB C&Sの上席が立ち、新サービス「mixpace」のローンチを誇らしく宣言している。この様子を、気を張った面持ちで見つめるメンバーがいた。
約3年半、このプロジェクトに心血を注いできたMITSURUとFUMIAKI。そして約3週間前、キャリア採用で入社したばかりのSHOとKANAKO。いよいよだと胸を昂ぶらせる者。勝手がわからずうまく対応できるのか心配している者。玉石入り混じった感情が、4人のプロジェクトメンバーの中にあった。何れにせよ「mixpace」はこの日、晴れやかに船出をしたのである。

2014年。MITSURUは、産業に特化したビジネスの深堀りができないかを考えていた。SB C&Sは、最先端のサービス提供に価値を置く会社。だからこそ、最先端の情報が集まってくる。数多くの製品情報を、いち早く入手できる。MITSURUの考えは、ひとつの商品をつきつめるというより、自分たちでコーディネートして複数の製品を組み合わせてプロモーションすること。それにより誰にも真似できないサービスを生み出すこと。CADまわりの製品とIoTの技術を組み合わせることで何かできないか。ヒントを探していた。
FUMIAKIは、かねてからARやVRの最先端の技術を追っていた。ARは「拡張現実」の略で、現実の世界にコンピューターを使ってさらに情報を加える技術。VRは「仮想現実」の略で、現実を模した仮想世界をつくる技術。この先に来る技術は何か。SB C&Sは、情報を入手しやすいポジションにいる。AR好きのコミュニティにも顔を出し、AR/VRが動き出す波をひしひしと感じていた。

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2016年。世の中はポケモンGOが社会現象になった年。二人の目の前に、新たな可能性を秘めた製品が現れる。マイクロソフト社のホログラム型MRゴーグル「HoloLens」だ。通常のVRゴーグルのように視界が閉ざされておらず、透明のホログラムに情報が映る。そしてスマホなどがなくても単独で操作ができる、夢に見ていた近未来を感じられる製品だ。この製品と「Fusion360」を組み合わせることで新しい価値が見いだせないか?と二人は考えた。「Fusion360」は2013年からSB C&Sで取扱を開始したオートデスク社の3D CAD。従来の1/10の価格で、これまでの10倍のことができるソフトウェアだ。
すぐにFUMIAKIが動いた。当時仕事をしていたユニティ社に、CADを変換するツールがある。「Fusion360」と「HoloLens」をCAD変換ツールとクラウドでつなぐデモモデルを構想。以前からAR/VRのコンテンツ製作を一緒にやっていた中村氏(後にホロラボ社を創業)に声をかけ、アプリ開発や、クラウドのアーキテクチャー設計を相談。「mixpace」の原型となるプロトタイプ「AR CAD Cloud」をつくり上げた。

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MITSURUとFUMIAKIは、スタートアップ企業のリーン・スタートアップの手段を応用。まず最小限のコンセプトでベータ版をつくる。いちど世に出して、お客さんの反応をもらってベータ版を磨き上げる。そして製品化する。その方法を新しく取り入れて、ビジネス化を狙う。「Fusion360」のプロモーションイベントに机に並べさせてもらい説明する。展示会に出展する。そこでご意見をいただく算段である。だがここからが、うまくいかない。

ゴーグルを使ったパフォーマンスはイベントで目を引く。プロモーションに引っ張り凧。しかし、ビジネスになるという考えが社会になかった。いろいろなものが揃っていない。ターゲットにしていた製造業はクラウドをまったく信用していなかった。提案を持って行ってARの可能性には興味をもってもらえるが、クラウドサービスだと言うと100人中99人が見向きもしない。当時はまだまだ技術的にも未熟。ひとつのコンテンツを製作するのにも、多数の工程を踏まなければならない複雑さがあった。マーケットの盛り上がりを感じることができなかった。そのうち、当時採用していたデータ変換ツールが提供終了。さらに、FUMIAKIは当時所属していたグループ会社から「今後AR/VRは取り扱わない」と通達される。MITSURUとFUMIAKIは当時を振り返って語る。「諦めようと思えば、いつでも諦められた。」

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CHAPTER 02

5G×IoT×AIがつくる
未来の先へ。

2019年。SHOは1月16日、KANAKOは2月1日に入社した。ローンチイベントまであと約3週間。いきなり最前線での活躍を求められた。二人のタスクは、お客様への製品紹介、販売店へ製品紹介、セールスのツール作成。受注するまでの商談など、フローのすべて。SHOはテレビ出演、KANAKOは記者会見。二人は入社わずか約3週間で、売上5000億円規模の会社の顔としてローンチイベントを執り行う立場となった。

SHOの前職は、電気設備の法人営業。クライアントはゼネコン。その知識と経験を買われて、このプロジェクトに営業担当に抜擢されたのだろう。建設現場にも出ていたから、クライアントと同じ目線に立つことができる。事情を理解できる。SHOの転職理由は、たくさんの商材を扱いたかったことと、今後伸びていくであろうIT業界に身を置くこと。ソフトバンクグループの会社に入社し、営業・マーケティングと「様々な業務に携われている」と実感している。
KANAKOは、CG制作会社でAR/VRに携わっていた。即戦力として見込まれたのであろう。営業志望だったが、マーケティング担当での採用になった。素質を感じての配属である。KANOKOの転職理由は、大きい会社でいろんな提案をしたいと思ったこと。前職では企画提案が業務。マーケティングははじめての経験。商社もはじめて。多くの業務がいま勉強になっている。希望の営業ではなかったけれど、この配属は「成長につながるな」と感じている。

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二人の採用は、ビジネス化を会社が容認したからだ。2016年、窮地に陥っていたプロジェクトは、次第に転機が訪れるようになる。
「Fusion360」は製造業向けのソフトウェア。ターゲットも製造業。しかし建設業から、多くの問い合わせをもらえるようになった。ニーズにしたがってターゲットを次第に建設業へと変えていった。データ変換ツールも、オートデスク社のものを実装できるか密かに開発していた。先に採用していたツールが提供終了になったタイミングでは移行に目途をつけることができた。そして何より大きな要因は、技術革新。2016年にできなかったことが、4年後の今はできている、技術が育ってきて採用できるようになった。

多くの声を製品に反映していった。お客さんからあれもこれもやりたいと要望が溢れた。技術的な課題も見えてくる。営業の課題もある。まずはサービスローンチの目標を2019年2月に定めた。経営層に可能性を提示した。売上見込みや展示会での反応を伝えた。会社がビジネス化を後押しするようになり、二人の仲間を迎えることになった。プロトタイプの立ち上げから3年半。サービス名は「mixpace」に決まった。

「mixpace」を一言でいうと、製造業や建設業で使う3Dの設計データを、原寸大などの任意のスケールで立体的に見られるソリューション。小さいモニターの中の世界ではなく、現実と3Dがミックスした世界をつくる。MR「複合現実」と呼ばれる技術だ。壁の向こうや、天井の向こうを覗くことができる。オーナーさんへの説明も、図面を複数用意するのではなく、更地に建物を立体的なイメージとしてみせることができる。コロナ禍であっても、遠隔からリモートツールと一緒に使ってAR/MR体験できる。そして、はやく、かんたんに操作ができることも、このサービスの魅力。データ変換時間はわずか3分。操作はアップロードとダウンロードするだけ。「ちょっと見てみよう」で確認できる。会議中に、事前に準備していなくてもすぐ見ることができる。プロモーション活動も実を結んで、日本を代表するような企業に多く採用され始めている。

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MITSURUとFUMIAKIが信じた「5Gがこれから来る。AR/VRは必ず来る。」そこにSHOとKANAKOが仲間に加わった。
「5Gの時代は、スマホだけの時代ではない。」とMITSURUは言う。「高速大容量でデータをサングラスのようなデバイスで表現できる時代が来る。そのビジネスの中心にいたいし、いられるように今動いている。」と続ける。「5年後に違うものになっている可能性もある。」とFUMIAKIは言う。「今後もお客さんの声に近い、強みを出せるフィールドと掛け算していく、変化を恐れないものを提供していく。そして今後はソフトバンクグループのコアコンテンツになる。」と続ける。
5Gやクラウドと新しい技術をセットにして、どんな未来につながっていくのか。その新未来をつくるのは、あなたなのかも知れない。

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