Miho Sakakibara
2004年 キャリア入社
人事
仕事概要
サービス開発事業本部 サービスデザイン本部は、新しいビジネスを模索し、0→1で事業創出することをミッションに掲げています。サービスデザイン本部で手掛ける新規事業のシードは数多く、その中で岸本は今、介護業界向けヘルスケア事業のスケール化に心血を注いでいます。
私は2023年からIoT技術を用いた新規ビジネス創出に着手、2024年度からはヘルスケア領域のビジネスにフォーカスして動いています。具体的には、介護施設向けのバイタル(心拍・体温・血圧、SpO2など)計測自動化サービスです。協業先のスタートアップ企業が開発したバイタルバンドを着用することで、入居者のバイタルを24時間自動計測。これまで施設のスタッフがアナログで行っていた毎日の計測作業がなくなるだけでなく、施設側の端末上で正確な数値を可視化。閾値超過の数値が検知された場合にはスタッフへ通知し必要なケアに動けるアラーム機能も備えています。
このサービスについて、本格的に事業企画や市場調査を始めたのは4月でした。事業仮説を構築しつつ、ターゲット顧客の解像度を上げて、まずは想定顧客の介護施設へプロトタイプの仮説検証を開始。良い反響だったことから、事業計画を9月にまとめ、11月には関東の介護施設約2,000施設に向けた販促活動を開始しました。順調に進めば、2025年には日本全国への提供が開始できる予定です。
このプロジェクトで私は、初期は事業仮説の検証に注視し、どんな顧客にどのような課題があり、何が価値提供できるかを800の介護施設と会話し、壁打ちを繰り返しました。この結果で事業計画の事業戦略立案を担当、一定の見通しが立った現在は介護施設に向けたGTMに動いています。事業企画から半年余りで拡販見込みにまで結びつけることができましたが、これは協業先のスタートアップ企業があってこそ。協業先の代表らと対話を重ねつつプロジェクトを進めるのですが、決断のスピードが非常に速く、ビジネスパートナーとして非常に面白みを感じています。
ヘルスケア領域の新規事業は現状順調に推移しているのですが、私個人の話で言えば、SB C&Sでのこれまでの仕事がいつも良い結果だったわけではありません。
私の前職は当社の連結子会社で、2017年にSB C&Sへ出向する形で来ました。前職時に新規事業の経験があったことから、当社でも1年目から新規事業開発担当に。当時最も深く関わった分野が、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業でした。このBPO事業では、さまざまなアウトソーシングの中でも特に経費精算業務の受託に特化し、約5年間取り組みました。事業企画や戦略策定といった上流工程はもちろん、受注から納品までの業務フローやマーケティング施策の検討、クライアントへの営業活動に至るまで、同僚と一緒に幅広い業務に奔走。期中には新規にBPOセンターを立ち上げたり、グループ企業のテクノロジーを活かし、AI OCRとRPAを組み込んだ、高生産性AIBPOシステムを新規に開発するPMも経験しました。
結果としてこの事業は複数の大手企業から受注をいただきました。しかし、当初見込んでいたほどの規模拡大とはならず、5年の節目だった2022年に事業クローズという判断となりました。
SB C&Sとしての技術水準や受け入れ態勢は確立していた一方、相対する顧客企業や相手の業界特性までを想像しきれておらず、販売パートナーがBPOに求める真のニーズまできめ細かく対応できるビジネス設計に至っていなかったことが主な要因でした。
このような経緯がありBPO事業での最後の約半年間は、すでに発注いただいている既存の販売パートナーのフォローを行いつつ、事業クローズの動きを経験しました。このときに大きく役立ったのが、前職のSB C&S子会社在籍時の経験。この会社は顧客企業のコスト削減策を提案する事業を行っており、私自身そのコンサルティング営業をしていたことから、当時のノウハウをフル活用しました。結果として当初予測された撤退コストを大きく下回る形にまとめることができ、「SB C&Sアワード」という社内表彰制度で単独で賞を獲得することができました。
先に紹介したヘルスケア領域の新規事業をはじめとする、それ以後のプロジェクトを前に進められているのは、BPO事業での経験なしにはあり得ないと考えています。それは、1つの事業の立ち上げから撤退までの一部始終を、コアメンバーの1人として圧倒的なハードワークを体感したことによる成長。また事業展開の中で失敗に繋がった要因を分析し猛省したことで、日々発生する課題発見の嗅覚が身に付き、迅速な課題解決ができるようになったと感じるのです。
今の私の目標は、このヘルスケア事業のさらなる拡大です。今後はさらに多くの介護事業者との接点を持ち、将来的にはバイタル計測という1サービスだけではなく、介護業界全体の生産性向上や課題解決に結びつけられるようなビジネスに成長させていきたいです。
会社の決定をメンバーが着々と遂行するトップダウンな組織ではなく、現場にいる個人の自主的な提案を奨励し、その実行を後押ししてくれる“エンパワーメントカルチャー”があることです。自分はSB C&Sという会社の中で何がやりたいのか、どんな人材になりたいのかを正面から考えて相談・行動すれば、周囲はその意志と挑戦を認めてくれます。
2024年春、私は当時の上司のすすめで孫正義が校長であり、ソフトバンクグループ後継者発掘・育成機関である「ソフトバンクアカデミア」に入校しました。優秀者は孫正義にプレゼンを行う機会もあるこの機関の中で、グループ内外から来る“同窓生”と一緒に切磋琢磨しているところです。SB C&Sでの本業含め、私自身も挑戦したいことが尽きない毎日を送っています。
※記載内容は2025年1月時点のものです